自らデザインしたキャラクターが登場するゲーム「ギタルマンワン」も発売され、
ますます絶好調のイラストレーターの326さん。
今回は子供の時のお話や絵を描く時に気にしているところ、
はたまたイラストレーターになる秘訣まで聞いてきたぞい!

©326
ナカムラミツル作品集/マガジンハウス
©326
ナカムラミツル作品集/マガジンハウス
©326
ナカムラミツル作品集/マガジンハウス
------ ペン大王
色々な分野で活躍されている326さんですけど、まずはイラストの世界観に関するお話を聞かせてください。えーっと、子供の頃ってどんなコトをして遊んでいましたか?

------ 326
小さい頃ですか。マンガとゲームが大好きな小学生でしたね。特に鳥山アキラさんや藤子不二雄さんのマンガをよく読んでました。あと小学生の時にはゲームもすごいやってましたね。ボクが小学生の頃って人気ロールプレイングゲーム全盛期だったこともありまして。

------ ペン大王
なんだかフツウの小学生、って感じの遊び方って気がしますが。

------ 326
フツウですよ。そうそう、ロールプレイングゲームの敵キャラを友達同士で作るのが流行ってまして。「これは見た目が強そうだからライフポイントがいくつで・・・」みたいな。

------ ペン大王
その頃に書いた絵が周囲の友達と違うかもとか感じたことってありました?

------ 326
うーん、昔のことでよく覚えていないんですけど、友達が描いたキャラとボクが描いたものにはあまり違いはなかった気がしますよ。友達とかには「キン肉マン」の絵をボクよりずっと上手に描いている人もいましたから。

------ ペン大王
えっ? なんか信じられませんね。

------ 326
本当ですよ。今でも自分で絵がうまいなんて全然思わないし。さらに模写とかになると全然できないですし。

------ ペン大王
でもこれだけみんなの記憶に残るイラストを描けるなんて。326さんのイラストの描き方に何か秘密があるとしたら、ちょこっとだけ教えてもらえませんか?

------ 326
そんな企業秘密じゃないんですけど、自分では描きたいものを自分の中で消化してから絵や文字にしてるって思ってます。

------ ペン大王
は、自分の中で消化してから?

------ 326
何かモノを絵にする時、普通の人はそれをそのまま表現しようとするじゃないですか。でもボクにはそれができないんです。だから、一度それを自分なりに理解してみる。そしてそれを紙の上に表現する。そのような手順を踏みながらイラストを描いてます。

------ ペン大王
なるほど。その消化するっていう作業が326さんの世界観の秘密なんだ。ところであの微妙に曲がったラインも何か意図があったりするんですか?

------ 326
あれは単にまっすぐなラインが描けなかったからなんですよ。でも最近はまっすぐ描けるようになったし。

------ ペン大王
あっなんかすごい失礼なことを・・・。

------ 326
いえいえ。でも何か思うんですけど、イラストの線てすごいパワーだと思うんですよ。例えばボクのように始めはまっすぐ線が引けなかった人がまっすぐ線を引けるようになって。そうすると"ボクらしさ"がなくなったとか言われるけど。それは違って進化する途中だと思うんですね。

------ ペン大王
ふむふむ。

------ 326
まっすぐな線が引けるのにわざと自分らしさを出す為に故意に曲がった線を描いた時、きっとすごいイラストが描けるんじゃないかと思うんですよ。それこそが"自分らしさ"であり"オリジナル"なモノなんだと思いますよ。

------ ペン大王
じゃあ、ここでちょっとキャラクターについてお聞きしたいのですが。326さんというとやっぱりアノ怒った目のキャラクターだと思うんですけど。

------ 326
あぁ、でも最近、飽きてきちゃったんですよ。ボクすごい飽きっぽいんで。だから最近はちょっと笑った感じの目をしたキャラクターを描きたいなぁって。

------ ペン大王
えっ? そうなんですか! もしかしてファンにはたまらない情報かもしれませんね。なんとなく326さんを見てるとイラストレーターというよりマンガ家さんという感じがしますね。

------ 326
もともとはマンガ家志望だったんですけど、やっぱり飽きっぽい性格が災いして。

------ ペン大王
じゃあ描いたキャラクターが自然と動き出すなんてことはあるんですか? よくマンガ家さんからそういう話をよく聞きますので。

------ 326
いいえ。ボクの場合、キャラクターはシーンごとに産まれるんですよ。例えば自分の頭の中に思い浮かべたシーンがあってそれに最もシックリとくるキャラクター、それを描くって感じですね。だからキャラクターは動かないんですよ。

------ ペン大王
キャラクターは"シーンありき"なんですか。じゃあキャラクターの性格とかもですか?

------ 326
そうですね。性格っていうのはあんまり考えないですけど、あるとしたらやっぱりそのシーンにあう性格ですね。シーンに合いながらあんまり動かないっていうのも少しヘンなイメージはあるんですけど。

------ ペン大王
今日はですね、326さんに是非ともイラストレーターになりたい人へアドバイスをいただけたらと思うのですが。キャラクター創世紀には本気でイラストレーターになりたいっていう人にたくさん参加していただいているので、何かコツがあったら教えてあげたいと思いまして。

------ 326
イラストってすごい厳しい世界だと思うんですよ。例えば、絵を描いて、それを人に見せればほとんどの人が「いいねぇ」って誉めてくれますよね、お世辞も含めて。ただお金を払ってまで欲しがってくれる人ってほとんどいないですよね。そこがすごい重要なんですよ。

------ ペン大王
お金を貰わないと仕事にはならないですしねぇ。

------ 326
だからといって、すぐにみんなから認められるイラストが描けるようにはなれないと思うし。だから初めは色々な人に自分のイラストを見せてみるっていうのがすごい重要ですね。

------ ペン大王
勇気を持ってですね。

------ 326
そうそう、やっぱり見せないと何も始まりませんし。そして見せた人には自分のイラストを批評してもらうんですよ。友達とかに見せると最終的には誉めてくれるじゃないですか。それじゃ意味がないんですよ。それよりは徹底的に批判してもらう。これが色々な人から気に入られるイラストを描けるようになる近道であり、そしてデビューすることに繋がるんじゃないかなって思ってます。

------ ペン大王
日々勉強って訳ですね。

------ 326
人からの意見で自分の良さやウリが見えてくるし。これは本当に重要です。だから「キャラクター創世紀」でも、本音でぶつかり合う仲間ができたり、有益なアドバイスがもらえるようなサイトになれるとなんかすごいいいなぁって思いますね。こんな風なコンピュータの使い方もできるんだ、ってね。

------ ペン大王
あらら。サイトのアドバイスまでいただいちゃいました。是非、326さんからのアドバイスが生かせるようなサイトにしていくよう頑張ります。で、最後の質問ですが、今後、挑戦したいことなどあったら教えてもらえますか?

------ 326
そうですねぇ。やっぱり映画は一度やってみたいと思いますね。それも自分がシナリオを書いたりして。あとゲーム好きとして、ゲーム制作はまたやりたいですよね。今度はイラストだけでなくてストーリーだったりとか細かい演出とかにも参加したいですし。とことん"モノ作り"が好きな人間なので、ずっと"モノ作り"に携わりたいっていうのもありますしね。

なんかイラストレーターになりたい人必見のお話をたくさん教えてもらっちゃいました。でもインタビューで一番印象深かったのは「"モノ作り"に対するこだわり」というものが至るところで感じられた点でした。今後ともイラストだけじゃなくて様々な分野で活躍する326さんを見られそうだぞ!


今月のキャラメーキングの極意
自分の世界をグーッと突き詰めて追求しよう!
描いたキャラは積極的に他の人に見てもらおう!

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